Y.S君の場合

中学の3年生から長期や短期の引きこもりを繰り返し、一年の留年を経たY.S君


阿相の元に話が来るまでに多くの支援団体が着手したが、上手く行かなかった依頼だそうだ。
改善が見られても直ぐに元の状態に戻ってしまうということで手に負えないということらしかった。

Y.S君は語学能力が高くイタリアへの留学経験もあるそうだが、イタリア語よりは英語への興味が強いらしく、
ご両親の今後の経験やキャリアを含めて留学に出したいという意向を叶えるため、留学の斡旋や海外生活に広い知識を持つ阿相が選ばれることになった。

引きこもり状態のY.S君を外に連れ出すため、入院を控えた阿相の代わりにNPO法人青少年支援の会カウンセラーである野田英治氏に協力を仰ぎ、Y.S君を外に連れ出し阿相の元まで連れてくることに成功した。
野田英治氏がとても上手くY.S君と接して対等な友人関係を築き上げ、阿相を紹介したたためにY.S君は最初から阿相に強い興味関心を持っていて阿相の話をよく聞いた。

Y.S君は海外に出たいという気持ちが強くあることを確信した阿相は、留学をしてみないかという誘いをかけたのだが、Y.S君は英語に自信がないとのことで阿相の元で英語の勉強をすることになったのだが、驚くことに彼は既に英語検定準二級ほどの能力を持っており、発音も流暢で会話に慣らせばいいというだけだった。

週一回のレッスンの約束を取り付けても来なくなるという心配はないと判断したため、約束を取り付けて初日は解散した。

阿相の読みどおりに進み、レッスンの他、教室近くの教会に勤めている外国人宣教師との交流で英語力を鍛えたY.S君は自信を持ち、ご両親の意向と本人の意志が合致し、留学期間を一年、ホームステイを選択した。

Y.S君はホームステイを選択をしたはいいが、ホームステイ先で家族と上手くやっていけるかと心配したが、現地には日本人カウンセラーもいるし、今までに4回もホームステイ先を変えた子もいるくらい簡単に変えられるから心配しなくていいと阿相に説明を受け、先月末にオーストラリアへと旅立った。

野田英治氏と共に、保安検査場を越えるY.S君の期待と不安が混じった背中が人波に紛れるのを一年後が楽しみだと見送った。

2019年4月1日